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秋田の後輩たちに伝えたい、「意志ある選択」の重要性。かずはさんインタビュー編集後記

秋田の後輩たちに伝えたい、「意志ある選択」の重要性。かずはさんインタビュー編集後記

はじめまして、ライターのオバラ ミツフミです。横手高校(119期)を卒業し、今年で24歳になります。普段はビジネス領域でWeb記事を執筆したり、ビジネス書を構成したり、いわゆる“書くこと”を生業としています。

秋田の後輩たちに伝えたい、「意志ある選択」の重要性。かずはさんインタビュー編集後記
過去の主な執筆実績

今回ame magazineでは、同校の先輩であるかずはさんをインタビューさせていただきました。

元々は「何もない地元が嫌い」で上京したのですが、秋田を離れてみるとやはり地元が恋しく、「何か地元に貢献できたらな」と思っている折の出来事で、この機会をとてもありがたく感じています。

インタビュー記事では、かずはさんの今に至るストーリーを、横手高校に在学中の頃から紐解きました。このnoteでは、インタビューと執筆を通して感じたことを、僕なりの視点で書かせていただきます。

将来の夢に、今の環境や、今できることは関係ない

かずはさんは、インタビュー記事のなかで「物理学を専攻していたものの、就職先は自分が好きだったIT業界を選びました」といった旨の発言をされています。

僕はこの何気ない発言に、とても大事なことが凝縮されているのではないかと思います。高校にいると、将来の選択肢を考える前に「大学に進学すること」が目標になる気がします。しかし、大学とは、人生の目的を達成するための手段でしかありません。

大学に行くことが人生の目的をなすための最適解ではない場合、大学に行く必要はありません。ただ、そもそも人生の目的について考える機会が、高校生の時点では少ない。すると、受験の目的が「第一志望の大学に行くこと」になってしまいます。

本来であれば、以下のステップであるべき。

  1. 人生の目的を考える
  2. 達成するための手段を考える
  3. その手段が大学進学だから、大学に行く
  4. 大学に行くために、勉強する

しかし実際のところ、こんなステップになっていませんか?

  1. とにかく大学にいくことが大事
  2. 大学に行くために、勉強する

もちろん大学というコミュニティに所属することで、新たな出会いがあり、視野が広がり、価値観が研ぎ澄まされていく…ということもあるでしょう。しかし、それも計算した上での大学進学と、そうでない場合では、得られる経験の量も、価値も、随分変わるのではないかと思うのです。

かずはさんは、ファーストキャリアがMicrosoftです。同社を選択した理由は、「物理学を学んでいたから」ではなく、「世の中に新しいサービスを生みだしていく起業家の方々をかっこいいと感じ、自分も同じようにサービスを世の中に展開することで、誰かに喜んでもらえる経験がしたかった」から。その背景には、幼い頃から慣れ親しんでいた、“インターネットの原体験”が関係しているともいいます。

つまり、過去に触れた価値観や、今まさに感じている“すき”を拡張することで、自分の人生(=仕事)に辿り着いているのです。「今、私は物理学を専攻しているから」という現時点から未来を創ったのではなく、ありたい未来から今の行動を選択しています。僕はこの思考を、心底素敵だと感じました。

人生に最も必要なのは、意志ある選択

実は、実家が温泉旅館を経営していることもあり、「将来は経営者になりたい。経営者になるためには、多様な価値観に触れる必要がある。多様な価値観に触れるためには、東京にいる必要がある。だから、東京の大学に進学する」と決め、上京しました。

ただ結局、経営者にはなっておらず、こうしてライターになりました。その理由は、たくさんの人に会うなかで、「人を鼓舞し、誰かの人生を変えてしまうほどに影響力を持った人」に出会ったからです。そして結局のところ、大学を中退しています。

彼ら彼女らの素晴らしさを知り、僕はその影響力をより多くの人に波及させる人間になりたいと思いました。そのためには、「大学を卒業するよりも、多くの人に出会い、たくさんの価値観に触れ、広めるためのスキルを磨くことが最優先だ」と考えました。だから、(生き急ぎすぎた気はしますが)大学を辞めています。

今振り返れば、「東京に行く」ために大学進学する必要は、必ずしもなかった。しかし当時の目標は果たされ、偶発的な必然に導かれながら、この仕事にたどり着くことができました。今はライターとして生きることに、誇りを持っています。

そうした誇りある人生を送れているのも、漠然とした将来像を持ち、意志ある選択ができたからだと思っています。

人生は、“すき”を見つける小旅行

秋田の後輩たちに伝えたい、「意志ある選択」の重要性。かずはさんインタビュー編集後記
取材後の一幕。日本酒が大好きなかずはさんと、乾杯。

ちょっと話が逸脱しましたが、このインタビューを通じて皆さんに感じてもらいたいのは、「今は知らない価値観、今は知らない体験が、みんなの将来をつくる」ということです。

高校を卒業するまでの18年間の人生で接することができる職業や価値観より、その先には、はるかに膨大な出会いがある。なので、そこで出会った職業を将来の目標にする必要はない。

もし「先生がかっこいい」と思ったのなら、「なぜ先生をかっこいいと思ったのか」を考え、その深い思いをより拡張できる経験ができる選択をしてほしいなと思っています。

そうして毎日自分に問いを立てながら過ごしていれば、きっと理想の人生に巡り会えるはず。かずはさんのインタビューを通じ、「場所にとらわれず、多くの接点を持つことの大事さ」を感じていただければ、幸いです。


少し話は逸れますが、学生時代(高校生時代)に、多様な視野に触れることが大事だと本気で思っています。かずはさんがそうであったように、自分の“すき”に巡りあえるか、それがあるかないかで、卒業後の人生が大きく変化するからです。

僕は、学生時代に長期インターンを経験したことで、今の仕事に巡りあうことができました。まだ創業してから間もないスタートアップで、事業を成長させるために必要なことを考えた結果、オウンドメディアを立ち上げることになりました。そこで記事を書く経験をし、ライターの第一歩を踏み出したんです。

そこから「書くこと」にのめり込み、ライターを自分の仕事にしようと決めました。ぜひ、秋田に関わりある学生の方、もしくは秋田県内の高校生の方でも、場所にとらわれず多様な価値観に触れる経験をしてほしいと思っています。

インターンに興味がある方、そして、学生さんにそうした経験を提供したいと考えている秋田の企業様、ぜひ僕が携わっている長期インターンシップ採用サイト「InfrA」をチェックしてみてください。

この記事を読んでいただいた皆様に、自分のキャリアに向き合う素敵なきっかけを届けられればと思います。

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株式会社Traimmu広報PR / 個人でブックライター。構成『選ばれる条件』(木村直人・エザキヨシタカ)アシスタント『10年後の仕事図鑑』(堀江貴文・落合陽一)WEB媒体への寄稿多数。